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白石と根白石にある二つの石神に秘められた絆 |
白石市の「神石白石」 | 仙台市泉区根白石の石神 もとの石が洪水で流されたあと、1728年に石神を祀る |
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白石城 | 根白石の白石城址(現在は宇佐八幡神社) |
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白石市内にある史跡「神石白石」は、「その石の根っこが地中深く仙台市泉区根白石の石神までつながっている」といい伝えられているが、一方の根白石の石神には「源頼朝公が巻き狩りをした際に白い大鹿が現れ、これを家臣が矢で射倒したところそれが根の白い大石だった」という言い伝えがあるだけで、神石白石とのつながりを示すものは何も無い。どちらの石も市名・村名起因の石とされているが調べても二つの石を結びつけるものが皆目わからない。そこには長い歴史の中で忘れられてしまった強い絆が隠されているのではないか?・・・「神石白獅子伝」はその謎を解き明かす物語である。
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「神石白石」と「根白石村名起因の石」の位置(エリアマップ)
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物語の始まりは・・・
時は江戸時代初期の1615年5月7日、「日ノ本一の兵(ひのもといちのつわもの)」と称された真田信繁(幸村)は大阪夏の陣で徳川軍に敗れて無念の最後を遂げる。ここで大阪城が陥落して豊臣氏は滅亡した。
一方、その戦いで徳川方として出征していた伊達勢の武将、片倉重長(小十郎)はその戦いぶりから鬼の小十郎と恐れられていたが、その前日6日の道明寺合戦では豊臣方の豪傑、後藤又兵衛を討ち取る活躍をしていた。
そこで幸村は、最後の戦いの直前に自分の子供たちの行く末を案じ、敵ながら勇壮な戦いぶりと見込んだ片倉小十郎にその子らを託すことにした。
戦が終わると、幸村の義を感じた小十郎はその子供たち(阿梅、大八他)と2匹の犬を、伊達政宗が治める仙台藩の白石城に連れて帰り養育することになった。
すると場面は一転し、物語は高橋明日香が通う白石の高校の授業風景に変わる。
ここ白峰高校では、普通授業の他に学年を縦断した班編成を行って、社会とのつながりを持ちながらSDG'sや災害、環境、地方創生などの課題を研究する取り組みが行われている。明日香はたまたまクラスメートの裕介と同じ歴史班に加わったところだが些細なことで口論となり、気落ちした重い足取りで白石城近くの「神石白石」へと一人で向かうことになった。 たどり着いた明日香がお参りした後に辺りを調べていたところで、急に足元が暗くなってきたのを感じて空を見上げると、さっきまでの青空が鉛色の厚い雲に早送りの勢いで覆いつくされるのを目にしたのだった。・・・・
----- この物語は史実の一部を織り交ぜたフィクションです -----
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